「あなたではない人にこそ、この本を薦めたい。」ツイート全文
いつもさわや書店フェザン店をご利用くださいまして、ありがとうございます。なんてことから始めたのは、時々思うことがあるからです。いつもいつも、色んな方に足を運んでもらって、本を買っていただいてますが、それでも、本屋に来ない/来られない方の方が圧倒的に多いよなぁ、と。
もし本屋に来ない/来られない方にどうしても読んで欲しいと思った本があったら、どうすればいいでしょうか?そんなことを思って、こんな全帯を作ってもらいました。
昔の僕を救ってくれた本で、そしてこの本はたぶん、本当に必要とする方は自分では買いません。視界に入らないからです。届いてほしい
①「あなたではない人にこそ、この本を薦めたい。」
そんな一文から始まる帯を巻いて展開を始めた本があります。
「書店に来ない/来られない人」にこそ読んでほしい一冊をどう届けたらいいか。そう考えた末に、こんなやり方を考えてみました。
②僕がこの本を届けたいと思っている「書店に来ない/来られない人」には、イメージがあります。それは、どうしても「死にたい」という気持ちを捨てられない人です。
日々色んな事件が起こります。そういう中に、「自分の命を断ってしまいたい」という気持ちを持つ人が関わるものもあります。
③僕自身もかつて、「死にたい」と思っていた時期がありました。今振り返れば、何でそんなことで悩んでいたんだろう、というような悩みだったかもしれません。でも、その当時の僕は、死ぬ以外の選択肢はないんじゃないか、と思ってしまうほど追い詰められていました。
④でも、「死にたい」という気持ちは、たぶん誰にも伝えなかったと思います。それを、周りの誰かに言うことは、とても勇気が要ります。周りの人も、僕が死にたいと思うほどの悩みを抱えていることなど、僕が突然引きこもるようになるまで、誰一人気付かなかっただろうと思います。
⑤正直に言えば、そういうしんどい時期にこの本を読んだわけではありません。なんとかその時期を抜けた後で本書を読んで、あの辛かった時期に出会いたかった、と思いました。この本に書かれているように考えられれば、そもそもあれほど悩んだりしなくて済んだだろうと感じました。
⑥とはいえ本書は、決して万能薬なわけではありません。「死にたい」と感じる理由は人それぞれですし、それにそもそも本書は、「死にたいと思っている人を留めるために書かれた本」というわけでもないからです。本書を読めば、誰でも救われる、なんてことは全然ないと思っています。
⑦それでも僕は、この本には、「死にたい」と思ってしまう気持ちをほどいてくれる力があるはずだ、と信じています。
あなたの大切な人は、あなたが気付かないところで「死にたい」という気持ちを抱えてしまっているかもしれません。そんなはずはないと、あなたは確信を持てるでしょうか?
⑧この本に書いてあることを、理解したくない、受け入れたくないという人も、もしかしたらいるかもしれません。大切だと思っている人に、こんな考え方や価値観なんて教えたくないよ、と思う内容かもしれません。たぶん、そんな風に感じてしまう人もいるんだろうな、とは想像しています。
⑨でももしそうだとしても、この本は「あなた」に向けられた本ではない、ということでしかありません。「あなた」がこの本を受け入れられなくても、「あなた」がここに書かれている内容を自分の大切な人に教えたくなくても、この本の内容に救われる人はいるはずだ、と信じて欲しいです。
⑩僕は、この本に中学生ぐらいの頃に出会うか、あるいはこの本に書かれている頃を誰か周りの大人が教えてくるかしたら、学生時代をもっと穏やかに過ごせていたはずだよなぁ、と思っています。大人になればみんななんとなく分かることなんだけど、子どもの頃って分からなかったからなぁ。
⑪僕にとって、そういう気付きを与えてくれる本はたまたまこの本でした。何も、この本を読まなければダメだ、と言いたいわけではありません。あなたにとってそういう本が別にあるなら問題ありません。でももしそういう本がないなら、この本を選択肢に加えてみて下さい。