@jikoryouhou
五月 病

アロマキット用にそれっぽい話でも草案。高田純次みたいにホラ吹いてますけど

知人に魔女か、或いはそれに類いする組合へ属する女性が御座いまして。

素材のリストを記したのは彼女であり、それらを集めに地の果てから亀の甲羅の中までを右往左往したのがこの私という訳で御座います。全く大変な苦労で御座いました、海亀の甲羅の中へ真水が溜まっているとは露知らず、海で


香水にそれっぽい小話

月汚穢
月より美しいものは無いと世間の方々が仰いますところでありますから、好奇心でもって宇宙へ歩いて出かけた次第で御座います。途中でバスにも搭乗致しましたが。
ほんの38万5,000km遠出して、月の眼前に参りますとこれは成る程如何にも美しく、サロメ嬢にも声をかければ良かったかと悔やみながら傍らに漂っておりましたスペースデブリに腰掛けて、ぼんやり美を愛でて御座いましたところその美しい月が、ぶるり、ぶるり、と身を震わせ始めたので御座います。
何事かと見る内に、嗚咽のような蠕動の後、月の下部からつぅと滴が溢れて参りました。

知人の魔女へ見せますと曰く、「これは月がその美しさを保つために定期的に排出する、汚さと穢れだ」とのことで御座います。いやはや月の美しさといったら、吐き出す汚穢すら穢れた地上人には十分過ぎる馨しさ

泥の塊とほぼ同じ構成物質である私には、

孕んだ海
凡そ56億年前の煮え滾る古代海へ出掛けて参りました。
今よりも広大であった大海の中たった一粒、ほつりと生まれた一個の細胞を確かにこの目で見た次第で御座います。
今日生きる生命全ての最初の一種、あの単細胞を、慈しんで抱くあの海から幾許か羊水を分けて

太陽悪露
太陽が眩しかったから、直談判しに地球を脱したので御座います。しかしながら地球と太陽との距離は
私が到着した頃にはすっかり太陽は眠る時間になっておりました
黒点に腰掛けて太陽の起床を待ち兼ねていましたところ、何やら悪夢に魘されたのか


罪焼薔薇香油
商品開発の件で世話をかけている礼と感謝の気持ちにと、赤薔薇の花束を持って知人魔女の厨へ出掛けましたところ、門前払いを受けまして。というのもその折丁度先客である悪魔殿方の来訪中でしたため、悪魔の肌を焼け焦がせる力を持つ赤薔薇なんぞを持った私がのこのこ参りますれば、地獄の貴族から直々に正座をさせられ怒られる破目になるからで御座いました。正座が決して得意ではない私は疾く逃げ帰り、持ち帰った赤薔薇の花弁を皆毟って


蕩けた恋人
この香薬を作るための指示書きにはこう御座いました。「手順1.恋人を樽に投げ入れる」。そのような人物に心当たりがない私は最初の手順から躓き困り果てまして、どうしたものかと考えあぐねながら裏路地を当てど無く歩き、黒いロングコートの襟を立てながら夜道をさ迷い歩き、公園の片隅で密会していたカップル両名の首筋をひっ掴んでそれぞれ樽に放り込み、意気揚々と帰路に着いた次第で御座います。
然しながら、手順53まで進んだ時点でカップルの片割れたる女性の方は見るも無惨に石が如く固まってしまいました。男性の方は上手く香薬になりましたところを見ると、



昨晩の夢
知人魔女から受取った水薬と指示書きにはこのように御座いました。「頭蓋骨から脳味噌を取り出して、代わりに水薬で満たしなさい。そうすると、夜に見た夢を水薬に写し取ることができる」。科学時代に産まれ育った私には脳味噌を取り出した状態でどうやって夢を見るのかさっぱり分かりませんでしたが、こちらが商品開発協力で無理を言っている立場、おまけに魔女の怒りは一族郎党末代どころか既に死んだご先祖様まで遡って殺すとされる苛烈なもので御座いますから、唯々諾々と脳味噌を取り外して代わりの水薬を注ぎ込んだ次第です。
そうして出来ましたのが甘く馨しくしかしどこか酸鼻の凄惨を思わせる黒々しい香薬で御座います。脳無しの私は一体どんな込み入った夢を見たので御座いましょうか?



妖精の苦汁
素材集めのため知人魔女宅の裏庭に入りました数秒後にフェアリーサークルへ足を突っ込んでしまいました私は、もうどうしようもなくなってしまいサークルの真ん中で体育座りをしておりました。


古代蒸留酒
酒が飲みたいとのたまう知人魔女の機嫌取りに持って参りました酒が天気管に用います無水エタノールであったことで物凄く罵られた私は、大昔に作られていたというヤシ酒を作って貰うため





悍ましき浸出液
「人間の死体を養分として生きる狂乱の怪物を傷付け、滲み出る液体を回収する」というどこぞのネトゲクエストじみた指示書きを読みました私は、愛用の鋏を一丁エプロンのポケットに入れて工房を出たので御座いました。
幸いにも虫に集られて弱っていた怪物に容赦なく鋏をグサリとやりまして、落ちていた空き缶を傷口に宛がい滴る液を集めながら、

スライム系
知人の魔女がタンスを動かしたいと言うので手を貸しました。タンスの裏からぐちゃぐちゃと這い出てきたこの軟体生物を知人魔女は素手で掴み、直に手渡してこようとしましたものですから、私は露骨に
傍らの棚にありました瓶を開けて中に入れて貰った次第で御座います。


知人魔女宅でオセロ勝負に全敗している最中、おもむろに知人魔女が小さな宝飾箱を取り出し開けろと要求して参りました。ショコラボンボンでも入っているのかとときめきながら無警戒に蓋を開けました私

時既に遅しの有様で知人魔女曰く、「パンドラの箱を模した魔術道具で、何も知らない人間に開けさせて


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